リーダーの視点~情熱の共鳴~#2
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「最後は根性でした!」インタビューで良く見聞きする言葉です。
根性論は、昭和的、非論理的などネガティブなイメージが多いかと思います。成果が出ない理由は、根性以外にもスキル不十分や、能力やセンスの不足もあるでしょう。一方で、同じようなスキル、能力や経験があっても成果に差がつくことは確かです。私たちで言えば、試験は最後の1問まで集中してやろう、疲れているけど日々やるべきことをやり切ろう、という話は一理あると納得します。数年前にベストセラーになった書籍『やり抜く力 GRID(グリット)』の中に以下のような記述があります。
“困難に対処する力は、才能とはほとんど関係ないということだった。訓練の途中でやめていった者たちは、才能がなくてやめたわけではない。それよりも重要なのは、マシューズ*の言葉を借りれば「絶対にあきらめない」という態度だった。*軍事心理学者マイケル・マシューズ”やはり世の中勝負を決めるのは根性です。
一方で、才能論もあります。人には生まれ持った適性がある、気持ちではなく理論やスキルが勝負を決めるという考えです。例えば私は絵心がないので、人より練習したとしても上手な絵を書ける気がしません。才能や適性も成果を出すためには必要と思います。
私個人の考えですが、初期段階はスキルや才能の影響が大きく、ある程度のレベルまで習得して同レベルで競ったりする場面では根性の違いが成果を左右すると感じます。よって、初期段階はできたことを認めて、小さな成功を繰り返し、とにかく楽しむことが成長につながります。コスパも大事で、最初から根性を要求したら苦行です。その後、レベルが上がってきて競争環境に置かれたら、技術や能力に加えて、根性や意志が成果を出すための重要な要素になります。ある意味コスパだけでは結果につながりません。
では、最後まで成果を出すまでやり切るために必要な要素はなんでしょうか。目標がある、楽しみや承認がある、適切なやり方をしている、ことが挙げられます。チームで目標に向かう場合は、納得感が大切と考えます。その納得性を高めるために今年は方針に「発信と対話」を入れました。目標や道筋をこれまで以上に伝えること、いろんなことに参加してもらって一体感をつくることを狙っています。中学受験はやり抜く力とは切り離せないものです。根性を鍛える、やり抜く力を高める方法は数多くあります。個々人でも複数の手法を持っていると思いますが、定期的に自らの手法を見直して引き出しを増やしていきましょう。やり抜く力を持つ子どもを育て、自らも根性のある人間となり、やり抜く力のある組織を築いていきましょう。